Mの日記

自由に書きたい。

猫さんと私

クレオパトラという名のペルシャネコだった。
小学5年生?頃の話。
近所のパン屋さんで飼われていた。

当時は洋猫を飼う家は少なく、完全室内飼いだった。
パン屋さんは良く行っていたので何度も見かけた。
ある日その白くて美しい、愛称パトラちゃんが空き地にポツンと一匹でいた。
通りがかった私は、「これはいけない連れて帰ってあげなくちゃ」と
勝手に思い、「パトラ♪おいでかえろー」と手を伸ばした。


次の瞬間。
パトラは私の右手に思いっきり噛みつき、
前肢の爪をガシっと食い込ませた
驚いて右手を一生懸命に振るけど、全く離れない。
私は、ビックリしたのと痛みで大泣き。
何度、腕を振っただろうか?やっと離れてくれた。
走って家に帰ると母に滅茶苦茶怒られた。
「あんたが、いらんことに手をだすからよ!」

ふえーん・・・そんなぁ・・・

手の甲に何か所か穴があいているような感じ(うろ覚え)
母は、赤チン(当時は主流)を流しかけた。

騒ぎを知った近所の人が
「猫にかまれたら病院へ行った方が良い」と言われて行くことに。
あぁ、そうそう土曜日の夜だった。

近所の外科を開けてもらった。
実はお向かいの八百屋さんのおじちゃんも噛まれていたので
おじちゃんも一緒に受診。

私の手は腫れあがってズキズキして眠れなかった。
傷は化膿して治るまでかなり時間がかかった。
今も薄っすら傷跡が残っている。
でも、包帯をしているので友達に「どしたん?」と言われるのが
嬉しかった。(子供あるある)

パン屋さんがレディボーデン(当時ハーゲンは存在していない)
の大きなカップを持ってきてくれた。
悪いのは私なのに・・・
と思いつつ兄と奪うようにしてあっという間に完食。

その手の傷よりももっと時間がかかったのが心の傷。
「噛まれるなんて・・・」
私はどんな動物とも話ができるんじゃないかというくらい
動物好きな子だった。特に犬とはいつも姉弟(笑)

でも、この一件以来、小さなヨチヨチ歩きの仔猫が傍に来ただけで
走って逃げるほど猫さんが怖くなってしまった。

猫さんがいそうな道は遠回り、
友達の家も猫さんがいるなら遊びに行かない徹底ぶりだった。


10年が経った21歳の頃、知人の家で
グレイのペルシャネコ「ララ」と出逢う。
私が噛まれた同じペルシャネコ・・・
ララは赤ちゃんを産んだばかりのお母さん。
本当にのんびりとした猫さんで
餌を取られてもシッポを踏まれても怒りもせず大人しいコ
それでも狩りとなれば機敏で勝利品は再々持ち帰ったと。

大人しいけど怖い!大丈夫そうだけどダメ!
あーーー触れない・・・怖い・・・

でも、このままでは死ぬまで猫さんを触れない・・・
そんなのは嫌だ。

かなり葛藤をしたけど、
飼い主さんの「大丈夫よ!」の言葉を信じて
勇気を振り絞り、手を鼻先に出してみた。

震える指先・・・
と次の瞬間だった。

 

ララは私の右手をザーリザーリと舐めた。
10年前に噛まれた同じ右手・・・
ララは立ち上がりノドを鳴らして私にスリスリしてきた。
なんて、可愛いんだろう。

心が溶けた瞬間だった。

ララと出逢っていなければ、私はそののちに出逢う
猫さんとの素敵な思い出も無かっただろうと思う。
ララさん、有難う。(=^・^=) 猫さんダイスキ。
感謝とそして、勇気は大事。と学んだ私でした。